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ビタミン発見物語④ 悲劇の天才学者 鈴木梅太郎。日本人初のノーベル賞受賞者になるはずだった男と栄養学の歴史

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こんにちは‼️
サプリソムリエ宮下です。

今日もビタミンB1発見の歴史。

 

前回、脚気の原因について

陸軍・東大・ドイツ医学チームの
森鴎外と

海軍・田舎大学・イギリス医学チームの
高木兼寛の

給食戦争(脚気論争)というものがあり
結果、日清日露戦争では
陸軍が戦死者以上の犠牲者を脚気で出してしまった
というお話をしました。

 

前回のお話はこちらから⬇️
『日清日露戦争と脚気と派閥争い』

 

現在ではビタミンB1の欠乏が
原因だと分かっている脚気ですが

この頃はまだ
ビタミン自体が発見されておらず

ヨーロッパにはない病気で
日本を中心としたアジアにだけ広まっていたので

伝染病説が主流でした。

 

そんな中、ある天才が登場します。

鈴木梅太郎。

残念ながら「いらすとや」さんでは
まだ描かれていませんが
切手にはなっている偉人。

東大農学部を卒業し
ドイツで学んでいた人。

森鴎外と同じ
東大→ドイツコースですが
医学部ではなく農学部というのが
彼の人生や日本の栄養学を変えていきます。

 

ドイツでは師匠に

日本は設備などが
ヨーロッパより遅れているから

同じ研究をしても負けてしまう。

アジアにしかないものを研究しなさい。

と助言されます。

 

そこで鈴木梅太郎が目をつけたのが

日本で猛威を奮っている脚気と
それに良いと言われている玄米。

どちらもヨーロッパでは馴染みがなく
研究対象としてバッチリでした。

 

動物実験を繰り返した結果
米のヌカの部分から脚気に効果のある物質を発見。

脚気の別名「ベリベリ」を倒すもの
アンチベリベリ、
略してアベリ酸と名付けます。

さらにアベリ酸が脚気以外にも
ヒトや動物の生命活動に絶対に必須なもので
かつ自分が作れない未知の栄養素
と分かり

 

米の学名「オリザ」から
『オリザニン』と名前を変えます。

日露戦争が終わって5年後の1910年のことでした。

 

この時の
ヒトや動物の生命活動に絶対に必須なもので
かつ自分が作れない未知の栄養素

はまさにビタミンの定義そのものです。

つまりこの時点で
世界で初めてビタミンを発見していた
んです。

 

これを12月13日に東京化学会で発表。

長らく日本を苦しめてきた
脚気の特効薬として歴史的な発見のはずでしたが…

 

日本の医学会は完全にこれを無視。

 

 

森鴎外やその仲間である
東大医学部チームには

百姓学者が何をいうか(笑)

ヌカで病気が治るなら
小便でも治るわ

とバカにされてしまいます。

 

翌年、今度は
ドイツの化学会に発表しましたが

それが翻訳の過程で
『新しい栄養素』の文言がなぜか抜け落ち

アジアでしか流行ってない
脚気に関する田舎論文

の扱いでヨーロッパでも評価されませんでした。

 

都市伝説レベルの話では
ドイツ医学では脚気は伝染病扱いだったので
栄養素説を認めるわけにはいかず
あえて訳されなかったのではと言われています。

論文が改ざんされたということです。

 

 

なおも鈴木にとっての
悲劇が続きます。

 

同年、ポーランドの医師
カジミール・フンクが米ヌカから
生命に必要な(Vital)未知の窒素化合物(Amine)栄養素として
Vital+Amine→Vitamine(ビタミン)

を発見と発表。

実はこれ、オリザニンのことなんですが
新しい栄養素として発表したのは
フンクということになり。

ビタミンの発見者はフンク。
さらにその栄養素の名前もビタミンで確定してしまいます。

 

なお、後にアメリカの別の学者が
生命に必要な
✅油に溶ける謎の物質A
✅水に溶ける謎の物質B
があるという発表をし。

 

これがどっちもビタミンのことだったと分かり

水に溶ける物質Bの1つ目に発見されたもの

ということで
鈴木梅太郎やフンクが発見したものは
『ビタミンB1』
と呼ばれるようになりました。

 

現在ではビタミンは
窒素化合物とは限らないこともわかっていて

Amineちゃうやん

となったんですが
ビタミンの言葉が広まりすぎたので

 

最後のeをシレッと抜いて
『Vitamin』
というつづりになっています。

 

 

鈴木にとっての悲劇はまだ終わりません。

 

残念ながらビタミンの名前は
フンクに取られてしまいましたが

ビタミンを最初に発見したのは
やっぱり鈴木梅太郎だよねということが
海外では評価され。

ヨーロッパの有名な学者さんの推薦で
ノーベル生理学・医学賞の候補にノミネートされます。

湯川秀樹さんが1949年に
日本人初のノーベル賞受賞者になった数十年前の話。

 

この時、他で候補に上がっていたのは
ホプキンスというイギリスの学者で
この人もビタミンの研究に関わっていた人。

 

そしてなんと。

東大医学部の教授がホプキンスの方を推薦し
彼がノーベル賞を取り
鈴木梅太郎は落選してしまいます。

 

東大医学部としては
日本人初のノーベル医学賞受賞者が
医学部ではなく農学部から出ることは許せなかったこと。

さらに未だ脚気は伝染病説を唱えている最中に
脚気に効く栄養素ビタミンB1を認めるわけにはいかなかったこと。

などが原因で、
同じ日本人、同じ東大の研究者の
歴史的な発見よりもメンツを重視してしまったんです。。

 

鈴木の研究は100年経った現代では
非常に画期的なものだったとして評価されています。

一番最初にオリザニンを発表した
12月13日は『ビタミンの日』
となり。

 

最初にお見せした
平成5年に出た鈴木梅太郎の切手の
頭の後ろにはビタミンB1の構造式が書いてあります。

 

なお、高木兼寛と森鴎外達の争いや
鈴木の発見と医学会との戦いが
影響を与えたのではと言われているものがあります。

 

それが
日本の栄養学が医学から独立したこと

 

佐伯矩(さいき ただす)医学博士。

彼は鈴木梅太郎が
ノーベル賞にノミネートされた翌年

世界で初めての栄養研究機関を自費で作ります。

 

当時栄養は医学の一分野でしたが
「男子厨房に入らず」
の時代でめちゃくちゃバカにされていたようです。


栄養は医学よりも下で

しかも男がやるもんじゃない
みたいな扱いでした。

 

前回の高木兼寛や
今回の鈴木梅太郎の研究が
あまり評価されなかったのはそういう時代背景もあるんです。

 

しかし米ぬかの研究で
脚気が治ることや
佐伯本人が大根から消化酵素を発見したことで
(一般人に大根が流行ったきっかけを作った人)
栄養に大ハマりし、とことん追求し、

最終的には
自分で作った栄養研究所を国営に変え
僕のブログでもめちゃくちゃよく出てくる
国立健康・栄養研究所になり。

さらに世界初の栄養学校を作り
そこを卒業した人のことを
「栄養士」と名付けました。

そして、これまた世界で初めて
医学から栄養の分野を独立させ
『栄養学』という新しい学問を立ち上げたとされています。

 

これって日本の医学の世界にいては
結局潰されちゃうからで
独立した方が認められるという考えもあったとされています。

 

これらから佐伯博士は

栄養学の父
栄養士の父

とされています。

しかし。

これが必ずしも日本にとって
良かったかどうかは正直分かりません。

 

サプリの勉強をしていると
必ず出てくる問題が

日本では医師が栄養学を学ばない

病気や健康に関して
日本の栄養学は50年遅れている

こういう話。

 

これって実は
日本だけが栄養学が医学から
完全に独立したから、なんですね。

 

その背景にはこれまで見てきた

✅様々な派閥争いやプライドの問題

✅医学よりも栄養や農学(栄養素の成分分析は農学に入ります)が下に見られていたこと。そして未だに下に見られていること。

✅男尊女卑と、男子は料理をしないという日本人の古い価値観

 

けれど、栄養学抜きの医学には
もう限界がある時代だとおっしゃる医師の方も増えてきました。

 

歴史的に見ても日本は

ビタミンを発見したり
栄養学を作ったり
和食が世界一の健康食として評価されていた時期もあったり
カレーライスを作ったり(笑)

あとちょっと何かが変われば世界一の栄養先進国になれるポテンシャルを持っている国だと思っています。

 

先人達の努力が報われるよう
正しい栄養学の知識が広まっていけばいいなと願っています。

 

 

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